株式投資の初心者の方で、「普段どうやって儲かる株を見つけたら良いのだろう?」と、考える方は多いはずです。
私が実践している方法は、以下の5つの探し方になります。
2.スクリーニングツールを使って選別する(探す)
3.広告から見つける
4.株の値動きから見つける
5.テーマ株から見つける
こちらの詳細は、以下のページでお伝えしています。
このページでは、この中の2つ目、『2.スクリーニングツールを使って選別する(探す)』の実践方法をお伝えします。
実際にこの方法で、2018年の11月に優良銘柄と呼べる銘柄(株の名称のこと)を見つけました。その株は今後に期待しています。
このときのスクリーニングの実践方法から、『儲かる株をスクリーニングで見つける方法』の参考にしてください。
銘柄のスクリーニングとは
銘柄のスクリーニングとは、一定の条件で銘柄を選別することです。
例えば、10万円の資金で株を買いたいときは、条件を『10万円以下で買える株』にしてスクリーニングをすることで、
『10万円で買える株』が選別されます。
わたしは、『マネックス証券』のスクリーニングツールを使って、銘柄を探します。このツールは、検索条件として、5つまで指定できます。以下のようなツールになります。
それでは、2018年11月に、このスクリーニングツールを使い、銘柄を探したときの方法を、実践方式で解説していきます。
実践スクリーニング
私が使っているマネックス証券のスクリーニングツールの実践方法をお伝えします。
まずは、優良な銘柄をスクリーニングするために、スクリーニングの条件を指定する必要があります。スクリーニングの条件には、いくつかのパターンがありますが、今回は、次のような条件でスクリーニングをしました。
スクリーニングの条件
今回、2018年11月に銘柄をスクリーニングした条件は、以下のとおりです。
スクリーニング項目 | スクリーニング条件 |
---|---|
ROA | 15%以上 |
ROE | 25%以上 |
売上高(前期比) | 10%以上 |
当期利益(前期比) | 10%以上 |
売上高経常利益率 | 10%以上 |
スクリーニング条件の解説
このスクリーニングの条件を1つ1つ解説していきます。
まずは、今現在、しっかりと稼いでいるのかを見極めるために、『ROA』と『ROE』を条件に入れました。
ROA:15%以上
ROAは、借入金も含めた資本金を使って、どのくらい稼いでいるのかが、わかる指標になります。
ROAは8%以上あれば、それなりに資金効率がよく稼いでいる企業といえます。ここでは、もっと効率的に稼いでいる企業を探したいため、ROAを『15%以上』としました。
ROAは、借入金も含めた資本金を元に、利益率を計算しています。借入金には金利がかかるため、その金利以上に稼がなければ、金利分損をしてしまうわけです。現在の金利は低金利のため、金利の影響はそれほどありません。15%以上稼いでいる企業は、資金を効率よく使ってかなり稼いでいると言えます。
ROE:25%以上
ROEは、自己資本(株主資本)を使って、どのくらい稼いでいるかを示す指標になります。海外投資家も重要視する指標なので、とても重要です。
ROEは、10%以上あれば、優良な企業といえます。ここでは、もっと稼いでいる企業を探したいため、『25%以上』としました。
次に、今期の利益が前期の利益と比べて、しっかりと増益になっているのかを見極めるために、『売上高(前期比)』と『当期利益(前期比)』が10%以上の増益になっていることを条件としました。
売上高(前期比):10%以上
売上高が、前期と比べて、10%以上増益になっているか。
当期利益(前期比):10%以上
当期利益が、前期と比べて、10%以上の増益になっているか。
売上高経常利益率:10%以上
営業利益が本業の利益を示していて、経常利益は、その営業利益から、金融収支(受け取った利息や支払った利息など)を加減したものになります。経常利益は、企業の通常の事業活動の成果といえます。
『売上高経常利益率』とは、その経常利益が、売上高のうちの何%あるのかを示す指標です。企業がどれだけ効率の良い経営を行っているのかがわかります。
この売上高経常利益率が10%以上あることは、かなり効率の良い経営をしていることになります。
以上、これら5つの条件を元にスクリーニングをしました。結果は次のようになります。
スクリーニング結果
先述のスクリーニング結果から、今回は『62銘柄』が抽出されました。(2018年11月時点)
スクリーニングが終わったら、選別された銘柄を一つ一つ見ていきます。
これら62の企業の、『増益率』『成長性』『成長の余地はあるか?』『時価総額の規模』などを中心に軽くさっと個別銘柄のページで見渡します。
その結果、今回は、次の銘柄に注目しました。
上記銘柄群の、個別のページを見ていった結果、今回スクリーニングした中から、注目した銘柄は、『ヨシックス(3221)』になります。
ヨシックスは、居酒屋チェーン店を全国展開している企業で、2019年現在で300店舗ほどを運営しています。
上記のスクリーニング結果は、以下のとおりのすばらしい業績になっています。
スクリーニングの条件項目 | ヨシックスの状態 |
---|---|
ROA[15%以上] | 24.5% |
ROE[25%以上] | 25% |
売上高(前期比)[10%以上] | +23.35% |
当期利益(前期比)[10%以上] | +40.34% |
売上高経常利益率[10%以上] | 12.48% |
ここからは、『ヨシックス』の業績や、会社のホームページを調べて、成長性を分析します。
ヨシックスのここがすごい!!
先述のとおり、『ヨシックス(3221)』は、居酒屋チェーン店を全国展開している企業になります。
この銘柄は、先述したスクリーニング結果だけでもすごいのですが、『増益率』『成長性』『成長の余地はあるか?』『時価総額の規模』など、調べれば調べるほど、すごい企業だとわかり、「これは優良銘柄だと!」と思いました。
そんな、ヨシックスのすごいところは、主に以下の6つになります。
2.目標がすごい!
3.出店コストが低くてすごい!
4.成長スピードが速い!
5.経済の低迷時にも対応していてすごい!
6.控えめな公表がすごい!
これら、6つのヨシックスのすごさについて解説していきます。
1.業績がすごい!
ヨシックスの業績は、ここ数年右肩上がりです。2014年の株式上場後から、一度も前期の業績を下回ったことがありません。それも、『売上高』『営業利益』『経常利益』『当期利益』全てで、前期を下回ったことがないとは!!これは、かなりの好業績といえます。
2.目標がすごい!
ヨシックスは、『店舗数3,000店舗』『売上高1,800憶円』『経常利益率10%の継続』を目標にして、成長しています。
これは、2019年1月現在、店舗数が300店舗、売上高156.8億円ですから、現状の10倍を目標にしていることになります。
※ヨシックス決算説明書類より抜粋
現状では、しっかりと経常利益率10%以上(12.48%)で推移しています。その継続を目標にしているため、売上高1,800憶円だとすると、経常利益で180億円を目指していることになります。
3.出店コストが低くてすごい!
ヨシックスは、元々、建設業から始まっていて、創業時は『ヨシオカ建装』という会社でした。そのため、会社には、建築部門があり、店舗を建てるノウハウを持っています。これにより、店舗出店のコストを抑えることができています。これは、ヨシックスの強みと言えるでしょう。
出店コストが抑えられていることから、短期間で投資回収ができています。同業他社が通常5年以上で回収しているところを、ヨシックスは、1~2年で投資回収をしています。
ところが、ホームページにある動画を見たところ、その動画の会長の話によると、投資回収が早い店舗だと6ヶ月以内で、ほとんどの店舗で1年以内で回収しているということでした。(驚!!)
さらに、家賃比率も抑えられていて、他社が、通常10%ほどの家賃比率のところ、ヨシックスは7%台に抑えています。この差額を、店舗で提供するお料理の素材に回すことで、料理の質を高めて、お客様満足度を高めています。
また、これも会長が動画で話していましたが、実は現状、家賃比率を6%台に抑えているということでした!
4.成長スピードが速い!
先述のとおり、投資の回収が早く出来ることから、次への投資もすぐに出来ることになります。つまり、どんどんと新しい店舗を出店できるわけです。そのため、成長のスピードが速いのです。
これまで順調に出店していて、毎年右肩上がりで店舗数を増やしています。
今後は、新規出店させる事業部の『8事業部体制』を確立して、年に56店舗を新規出店する計画になっています。
5.経済の低迷時にも対応していてすごい!
会長のお話では、『デフレのニッパチ、インフレの、や台ずし』と話されています。これは、デフレ経済のような経済の低迷期には、『280円居酒屋(ニッパチ)』を増やして、インフレ経済のような経済が盛り上がるときには、『や台ずし』を増やして、それが、非常に上手くいっているとのことでした。
『や台ずし』は、アベノミスクと呼ばれている、昨今の波にうまく乗ったようです。上記の図を見ると、ここ数年で、ぐ~んと伸びているのがわかります。
2018年後半から、株式市場が崩れた今、もしかしたら、今が盛り上がりのピークかもしれません。
しかし、2008年のリーマンショックと言われた経済低迷期にも、ニッパチという、『280円居酒屋』が成功しているわけです。それもあり、今後の経済低迷期にも、うまく対応していく企業ではないかと思います。
また、ヨシックスは、『新業態の開発』『実験』を繰り返しているそうです。
例えば、ここ数年、『いきなりステーキ』のようなステーキ店が増えました。そのような、ステーキのお店など、まずは1件やってみる。それで、いけそうだと判断したら、出店を増やすというわけです。
以下が、昨年9月にオープンした、『やっぱりステーキ!や』になります。
9月29日(食う肉の日)に、オープンしているというのも、良いですね!(笑)
このように、ヨシックスは、国内の経済状況が良くても悪くても、その状況に合わせた店舗が開発できる企業なのだと思います。
そのため、もし経済低迷期に『や台ずし』のような店舗が、いくつか退店しても、『280円居酒屋』のような形態で盛り返し、また、経済の成長の波が来たら、その波に合う店舗を増やしていく。
そのような形で、全国3,000店舗を達成していくのではないでしょうか?
日本経済の低迷時にも、しっかりとやっていけてる企業は強いです。
6.控えめな公表がすごい!
これまでの会長の話にも出てきているとおり、決算資料はどれも控えめな発表ばかりでした。
例えば、業績は予想よりも常に上回っていますし、先述のとおり、店舗コストを抑えることにより、投資回収は1~2年で回収しているとありましたが、実は、ほとんどの店舗で1年以内に回収できているということでした。また、地代家賃も7%台とあるところ、実は6%台になっているということでした。
他にも、目標の売上想定も、実は控えめになっています。
ヨシックスの自社分析によると、『潜在市場規模が2,777億円、出店余地4,344店』であると、分析されていました。潜在市場規模がそれだけあるのなら、将来の売上高1,800億円、出店3,000店舗は、控えめな数字であり、達成可能ではないかと考えます。
あれもこれも、控えめな発表ばかりで、これは通期の決算発表も上方修正はあたりまえだろうなぁ。という感じです。
以上、すごい話ばかり出てきて、『ヨシックス(3221)』は、これといった悪いところが見当たらない銘柄でした。
リスクがあるとしたら、飲食店というところ
この『ヨシックス』に、もしリスクがあるとしたら、飲食店という辺りでしょうか。
飲食店はこれまでも、食中毒だったり、牛肉のBSE問題、鶏肉の鳥インフルエンザ問題だったりと、さまざまな問題が、数年に一度は発生しています。そのため、リスクがあるとしたら、そのようなリスクしか見当たらない気がします。
展望
このような、優良銘柄といえる『ヨシックス』ですが、もしこの銘柄を買うとしたら、どのように買っていけばいいのか、展望をまじえて考えていきましょう。
2018年後半から、日米共に株式市場の状況が悪化しています。株式市場がしばらくは低調に推移する可能性が高いと言えます。もし、2008年のリーマンショック級の株式市場の崩壊があるとすれば、優良な企業でさえも、株を売り込まれることになるでしょう。
日経平均(上場企業225社の株価の平均)が2018年の高値24,000円近辺から半値となる12,000〜15,000円程度の底値も想定しておく必要がありそうです。もしも、そうなったときには、成長株でも、PER10倍以下になることもあるでしょう。(PERは割安度がわかる指標で、10倍以下だと割安と言えます。)
ヨシックスを買うとしたら
もし、ヨシックスが、現在の業績で『PER10倍』になったとすると、株価は『1,340円』になります。2019年1月4日現在の株価が2,759円ですから、今の半値くらいというわけです。今後、株式市場が崩壊して株が売り込まれた場合は、その辺りも想定して、時間の分散投資を考えます。
ヨシックスは先述のとおり、22年には500店舗達成を目標にしています。この500店舗達成したときの売上高を今の利益率で想定すると、『売上高260億円』になるでしょう。
経常利益率が12%だとすると、その時の経常利益が『約31億円』になります。この数字から『一株利益』を想定すると、『約180円』になります。この一株利益180円を『PER15倍』で計算すると株価は、『2,700円』になります。
つまり、今の株価は『2,759円』のため、2022年の店舗数500店の売上高を織り込んでいると言えます。そう考えると、もう少し株価が安くなるのを待ちたいところです。
しかし、株式投資の難しいところは、それほど、株価が落ちないことも考えられるわけです。
このように、さまざまな展開を想定しながら、いくらで買ったらよいのかを判断していきます。
将来の売上高から株価を想定する
一方、将来売上高1,800億円の目標を達成したときの株価を、『PER15倍』で想定すると、『株価20,000円』もありそうです。
そう考えて、株価10倍を狙いたいのであれば、現在の株価で2,000円以下のときに買いたいところです。
以上を踏まえて、買い方のパターンを考えます。それは、以下の2とおりになります。
パターン1:今すぐ100株買って、株価がPER10倍以下になったら買い増しをする。
パターン2:もっと株価が安くなるのを待って、2000円以下で100株を買う。そこからPER10倍以下になったら、買い増しをする。
パターン1の場合、例えば、資金が50万円だとしたら、今の水準で、1単位分(100株)買います。その後、もしヨシックスの株価が1,340円に近いところまで下がったら、買い増すようにします。これで、約40万円で200株買えます。
パターン2の場合、100株を2,000円以下で買います。その後、1,340円に近いところまで下がったら、買い増します。これにより、約30万円強で、200株買えることになります。
パターン1とパターン2の買い方を比べると、パターン1の場合は、このまま株価が上がっていってしまっても、利益が出る反面、もし株価が下がった時の損失が大きくなりますし、利益が出た時にはパターン2よりも利益が少なくなります。
一方パターン2の場合、このまま株価が上がっていってしまったときは、利益は全くでないことになります。しかし、株価が下がった場合は、より安く株を手に入れられるため、損失が少なくなりますし、利益を出せたときは大きな利益になります。
このように、最悪を想定して、リスクとリターンの関係から、時間の分散で資金管理をしていきます。
まとめ
このページでは、『2.スクリーニングツールを使って選別する(探す)』の実践方法をお伝えしました。
今回は、銘柄のスクリーニング条件を以下のとおりにしました。
スクリーニング項目 | スクリーニング条件 |
---|---|
ROA | 15%以上 |
ROE | 25%以上 |
売上高(前期比) | 10%以上 |
当期利益(前期比) | 10%以上 |
売上高経常利益率 | 10%以上 |
スクリーニングの条件は、さまざまなパターンが考えられます。いろいろと考えてみてください。
良さそうなスクリーニングの条件があったら、教えてくださいね。