株の長期投資をしてみたいと思っている方はいるはずです。
しかし、「どうやって銘柄を見つけたら良いのか」「良さそうな銘柄を見つけたけど、買ってしまって大丈夫なのだろうか?」と不安になる方もいるはずです。
このページでは、株の長期投資に適している銘柄の3つのポイントをお伝えします。
この3つのポイントを抑えることで、安心して株を長期保有できます。
株の長期投資に適している銘柄の3つのポイント
株の長期投資に適している銘柄(株の名前)のポイントは次の3つになります。
2.割安である
3.つぶれない
こちらの3つのポイントは、株を長期保有して成功する確率が上がる基本になります。それぞれを解説していきます。
このページは基本になりますが、より詳しい分析手法は以下のページをご覧ください。
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1.成長性がある
株の長期投資に適している銘柄に、成長性は欠かせません。
なぜなら、株の長期投資の醍醐味は株価が長期的に右肩上がりで上がっていく株を保有することで、そのためには、10年、20年と成長するであろう企業の株を選ぶことが重要になるからです。
例えば、コンビニエンスストアで有名なセブンイレブンは2018年現在では、外を出歩けばすぐに見つかることでしょう。
私の住んでいる地域は結構な田舎で、数年前までセブンイレブンはありませんでした。それが今では、徒歩で5分圏内の場所に1店舗あり、車で5分圏内であれば4店舗もあります。10年前では考えられないことでした。
このように、セブンイレブンは私が住んでいる田舎にも数件出来るくらいに店舗数が増えているわけです。具体的にはセブンイレブンの日本国内店舗数は2018年に20,000店を突破しました。
1974年に初めての店舗を出店してから、1980年までのわずか6年で1,000店舗を達成して、その後も40年以上、成長をし続けていることになります。
株の長期投資では、このように成長し続ける企業の株を保有することが重要です。
セブンイレブンの株価は100倍以上(最大では350倍)
そんなセブンイレブン(※公開当時はセブン-イレブン・ジャパン)の株価がどうなっていったのかというと、1979年に株式を公開(株が市場で売買出来るようになる)したのちに、4年後に株価は10倍になりました。
7年後には20倍を超えて、10年後に50倍、20年後に100倍になりました。2000年の株式市場がITバブルと呼ばれたときには、株価は最大で350倍になり、2018年現在では100倍近辺で推移しています。(※現在はセブン&アイ・ホールディングス)
※参照
セブン-イレブン・ジャパンは、平成17年5月に、セブン&アイ・ホールディングス(持ち株会社)の子会社となり、株式は1対1の比率で割り当てられました。つまり、セブン-イレブン・ジャパンの株を100株持っていた人には、セブン&アイ・ホールディングスの株が100株配られたというわけです。
このように、当時の『セブンイレブン・ジャパン』株は、2018年現在は『セブン&アイ・ホールディングス』株に変わっています。しかし、株価が100倍以上になっていることには変わりません。このセブンイレブンのように株価が100倍以上になる株を長期的に保有するには、企業の成長性のチェックは欠かせないわけです。
企業の成長性を調べる
先述のとおり、株の長期保有で利益をあげるためには、企業の成長性が明るいことが重要だとお判りいただけたかと思います。
この企業の成長性を見分けるには、会社のホームページや、会社四季報(上場企業すべての情報が掲載されている情報誌)、決算書などにヒントが隠されています。
そこで、気になる企業のファンダメンタルズ(業績)を調べて『会社の利益が毎年10%以上づつ上がっている』ことや、会社のホームページに、「全国1,000店舗を目標に」など、成長性が表れていることが、重要な点になります。
ただし、『売上が毎年10%以上づつ上がっている』会社があるとして、「この会社は良いかもしれない」と思うかもしれません。
しかし、売上だけを見ていては、利益が上がっていないかもしれません。そのため、『経常利益』や『営業利益』、『純利益』などのファンダメンタルズで重要な点をしっかりとチェック出来るようになることが重要です。
2.割安である
株の長期投資に適している銘柄の2つ目のポイントは、株の値が割安であることです。
先述した、成長性のある企業の株は、みんなに買われます。そのため、割高なことが多いです。他の株と比べて少しだけ割高というのなら、問題ありません。
しかし、ときにはバブルに巻き込まれて異常なほど値が上がるときがあります。先述した、セブンイレブンの株が350倍にまであがったITバブルのときなどがそれにあたります。
そのようなときに、株に手を出していては、バブルが過ぎ去ると売られまくりで、思いもよらないほど、株価が下がることになります。
そんなバブルの状態なときに、株を保有しないためにも、株価が割安であること(割高過ぎないこと)は重要なのです。
例えば、IT企業で有名なヤフー(4689)は、ITバブルが起こった2000年2月22日に、株価は1億6789万円の高値(一番高い値段)を付けました。
「株を1株買うのに、1億6789万円を払うんですよ?(笑)」
当時はそんな値段でも将来に期待して、買われていたわけです。(まあ、2018年現在ではその時点の株価は超えておりますが。)
企業の株価と収益の関係から、割安度を見分ける指標に『PER』というものがあります。
このときの、ヤフー株のPERは、なんと!約4,300倍でした。一般的な株のPERが15~20倍が適正であるにも関わらず、PER4000倍以上も買われていたわけです。(PER4000倍は株価が4000年分の利益を反映しているという意味)
ここで、ヤフーの株を手にした人はどうなったかというと、その後、ヤフーの株価は752万円まで下がりました。これはITバブル後の最安値になります。(株式分割をしているため実際の安値は188万円×4分割=752万円)
つまり、このヤフー株の最安値は、2000年の最高値から22分の1になってしまったことになります。これは、株式投資で100万円の元手が4万5千円になってしまうことと同じことです。
このように、株が割高のときに買ってしまうと、100万円が4万5千円になってしまうこともあるわけです。
逆に、株価が割安なとき、4万5千円に近いときに買ったほうが、株の長期保有で利益を上げられることになります。しかし、最安値のときがいつかは誰にも分りません。ただ、私たち個人投資家ができることは、割高のときには株に手を出さないということになります。
このように、長期投資する株が割安であることは、重要なポイントになります。
株価が割安であるのかを見分けるにはPERとPBRを調べる
先述のとおり、ヤフーの株価がPER4000倍以上になるほど割高になったときに、ヤフーの株を買っていたとします。
その場合、その後株価が22分の1になる過程で、ヤフー株を手放してしまうことになるでしょう。そのようなことならないためには、出来る限り割安なときに株を買いたいわけです。その割安度を見分けるためには、『PER』や『PBR』を調べます。
主に、PERをみると良いでしょう。(IT関連の銘柄が増えてきて、PBRは割高なままが多くなってきているため)
先ほどのヤフー株の例でいうと、PER4000倍は明らかに割高なわけです。
一般的な株のPERが15~20倍が適正なので、出来るだけPER15倍~20倍に近いところで買えればお得と言えます。ただし、時にはPERが10倍以下になることもあるため、注意が必要です。
PERとPBRについては、それだけでも長くなるため、こちらの記事をご覧ください。
⇒『株の割安度をPERとPBRで見極めて長期保有する株を高値で買わないようにする』
3.つぶれない
株の長期投資に適している銘柄の3つ目のポイントは、会社がつぶれないことです。
株を長期保有するわけですから、すぐには株を手放さないわけです。優良な株を選んでいれば、どんなに株式市場が低迷しても、10年以内には株式市場の活況とともに、株価も盛り上がります。そのため、最低限10年は株を長期保有すると考えていただきたいです。
それだけ長く株を保有するわけですから、会社がつぶれてはいけません。株の短期売買であれば、値動きの良い銘柄を買って、その株が上がったところで、サッと売り払えば問題はないでしょう。しかし、すぐに売らない長期保有では、つぶれそうな銘柄は避けなければなりません。
そこで、当分の間はつぶれない会社を見極める必要があります。
会社がつぶれないかを見分けるためには株主資本比率(自己資本比率)を調べる
先述のとおり、株の長期投資では、10年以上は株を保有したいところです。そのためには、つぶれない会社を選ばなければなりません。そこで、つぶれない会社はどういう会社になるかというと、自分(会社)のお金(資金)がしっかりとある会社になります。
この、会社のお金のことを『自己資本(株主資本)』といいます。自己資本が多い会社の方がつぶれにくいわけです。
自己資本とは、株主からの払込金のことで、このお金と他からの借入金を元に、株式会社は経営されています。この株主からの払込金は、会社からすれば、返済しなくても良いお金です。しかし、借入金(銀行などからの融資のお金)は、返済しなければなりません。
この返済しなければならないお金が少ない方が、つぶれにくい会社になります。
要は、「借金が少ない方がつぶれにくいよね。」という話です。
先述のとおり、株主からの払込金のことを『自己資本』といい、銀行など他からの借入金を『他人資本』といいます。
この2つの割合のことを、自己資本比率(株主資本比率)といい、自己資本比率が高い方がつぶれにくい銘柄になります。そのため、つぶれにくい会社を見極めるには、自己資本比率を調べればよいわけです。
自己資本比率の計算式は、『自己資本比率(%)=自己資本÷総資本×100』になります。
このように、『自己資本』と『総資本』から『自己資本比率』を求めます。
例えば、総資本1億円で自己資本5,000万円の会社があったとします。この会社の自己資本比率は50%になります。
このように、自己資本比率を求めて、自己資本が出来るだけ多い銘柄を選ぶと、株を長期保有するには安心できます。
株主資本比率はどのくらいあれば良いのか?
先述のとおり、つぶれない会社を見分けるためには、株主資本比率(自己資本比率)をチェックするとお伝えしました。それでは、その株主資本比率がどのくらいあれば安心なのかといいますと、その目安は以下のとおりになります。
株主資本比率 | 状態 |
---|---|
60%以上 | 超優良企業 |
40%~ | 健全な企業、上場企業の自己資本比率の平均を上回る |
20%~ | 普通の水準 |
19%以下 | 要注意企業 |
マイナス | 債務超過、資金繰りが続く限り倒産にはならないが、資金が底をつくと倒産になる。 |
このように、株主資本比率は、40%以上あれば健全な企業といえます。19%を下回って来たら、要注意かなというところです。
特に10%を下回って来た上場企業は、経営にメスを入れて株主資本比率を改善しようとします。そのため、すぐに倒産することもありませんが、かなり注意が必要になります。
この株主資本比率は定期的にチェックしたい指標の一つといえます。
まとめ
このページでは、株の長期投資に適している銘柄を選ぶポイントとして、3つのポイントをお伝えしました。
その3つは、『成長性がある』『割安である』『つぶれない』です。
それぞれのポイントとして、注目するところは、以下のとおりになります。
成長性がある
⇒毎年10%以上の増益になっている。ホームページに成長の見込みが書かれている
割安である
⇒PERが割高過ぎない、出来るだけPER15~20倍に近いところで買う。(時にはPER10倍以下になるから注意が必要)
つぶれない
⇒自己資本比率を調べる、40%以上なら健全な企業で、60%以上は優良企業。定期的にチェックする。
このページは、以上、基本的な3つのポイントをお伝えしました。
さらに詳しい分析手法は、以下のページにあります。合わせてお読みください。