株式投資の初心者の方で、「どうやって儲かる株を見つけたら良いのだろう?」と、考える方は多いはずです。
私が実践している方法は、主に以下の5つの探し方になります。
2.スクリーニングツールを使って選別する(探す)
3.広告から見つける
4.株の値動きから見つける
5.テーマ株から見つける
こちらの『銘柄の探し方』について詳細は、以下のページでお伝えしています。
このページでは、この中の4つ目、『4.株の値動きから見つける』の実践方法をお伝えします。
実際にこの方法で、2017年の1月に割安な株を見つけて、その株がわずか2ヶ月で2倍になりました。その後、1年のうちに株価は10倍以上になりました。
このときの実践方法から、『儲かる株の見つけ方』と『分析の仕方』の参考にしてください。
割安株の株価が上がるにはきっかけが必要
冒頭でお伝えした、『4.株の値動きから見つける』方法とは、割安株が動き出したとみられるところで株を買っていく方法になります。
割安株とは、本来の株の価値よりも安く市場に放置されている株です。そのため、いつかは本来の価値と同等の株価になる可能性が高いのです。
例えば、本来の株の価値が200円であるにも関わらず、現在の株価が100円近辺を行ったり来たりしているような株が『割安株』になります。
このような割安な株は、いつかは本来の株の価値である200円程度まで上がる可能性が高いわけです。
そして、このような割安株の株価が上がるためには、きっかけが必要になります。
割安な株の会社が、いくら自社のホームページで売上を公表して、その売上が毎月順調に増えていても、ほとんどの人が見ていません。見ているのはすでにその割安な株を保有している人の中の一部の人たちだけでしょう。
つまり、株価が割安で、売上や利益が実際に着実に上がっていても、ほとんどの人がその事実を知らないことになります。そのため、割安な株は割安なままで推移しているわけです。
しかし、その割安な会社の売上や利益が周りに知れ渡るときがあります。それは、主に次の2つのときになります。
2.株価が上がり値上がり率ランキング上位に入ったり、ストップ高になったりしたとき。
以上のようなときに情報が流れて、周りに知れ渡ることで、割安な株が動きだします。
このページでお伝えする『株の値動きから見つける』方法は、上記2番目の『株価がストップ高になるとき』を捉える方法になります。
まずは、上記の、割安株が上がるきっかけとなる2つのときについて説明していきます。
1.ニュースや開示情報として、情報が証券会社を通じて配信される
企業の情報が周りに知れ渡るきっかけの1つ目は、株の『ニュースや開示情報』が、証券会社によって配信されることです。
例えば、私の使っている『クリック証券』では、以下の場所に表示されます。『株式』ページの一番下になります。
このように、ニュースや開示情報が表示されます。
個別銘柄の開示情報は、それぞれの銘柄のページにも表示されます。気になる銘柄がある場合は、『ウォッチリスト』に登録しておくと良いでしょう。そうすれば、いつでも、気になる銘柄の開示情報を簡単にチェックできます。
個別銘柄の開示情報は、個別銘柄のページの『ニュース』欄に表示されます。以下の写真のように表示されます。
ここで、業績予想の修正や決算速報などが開示されます。以下の書面のようなものです。
これは、『ID(4709)』株の業績予想の修正のお知らせです。
このように、業績の上方修正が行われて、(ホームページを見ていれば良いことがわかる場合がある)その情報が一般投資家など周囲に知れ渡ります。
そうなると株が買われて、株価に影響を与え始めます。(業績が良ければ株価が必ず上がるわけではありません。買われる株を見て、それ以上の売りが出ると株価は下がります。)こうして、株価が動くきっかけになるわけです。
2.株価上昇率ランキングの上位に入る
企業の情報が周りに知れ渡るきっかけの2つ目は、株価値上がり率のランキング上位に入ることです。それでその銘柄は注目されることになります。さらに、ストップ高であれば、もっと注目されます。なぜなら、本日の『ストップ高銘柄』という風に、ニュース欄で紹介されるからです。
クリック証券ですと、次のように『ニュース・開示情報』の『個別銘柄』欄に表示されます。
デイトレーダーや短期売買をしている人たちにとって、今、動いている銘柄は特に重要です。そのため、常に値上がり率ランキングの上位の銘柄はチェックされているわけです。
証券会社では毎日、『値上がり率ランキング』が表示されています。私が使っているクリック証券では、『株式』のページに以下のように表示されています。
このランキング上位の株を見て行きます。すると『ストップ高(株の値上がりの上限)』になっているときがあります。
このような、ストップ高になるような銘柄は、より注目されています。このストップ高になったことにより、さらに注目されるので、株価が動き出すきっかけになるというわけです。
以上の2つが、割安株の株価が動き出すきっかけになります。
株の値動きから見つける方法とは、動き出した株の中から割安な株を見つけ出すこと
先述のとおり、割安株が動き出すには、きっかけがあるわけです。その割安株が動き出した時を捉えようというのが、このページでお伝えする、『株の値動きから銘柄を見つける方法』になります。
要は、株価が動き出して、周りに注目され出した銘柄を、一つ一つ分析すると、業績がよく将来性も期待できる株が割安な場合があります。そのような割安な株をみつけて買っていくわけです。
株価の動き出しはストップ高から見つける
まずは、株価の動き出しを捉えるわけですから、株価が上がり始めていなければなりません。ここでは、株価の動き出しとして、先述した『ストップ高』に注目します。
ストップ高とは、その日の株価が、それ以上は上がらない上限値のことです。株価には値幅制限があり、上にも下にも、その1日はそれ以上にもそれ以下にもならない制限値が設けられているのです。
そのような、『ストップ高』になっている銘柄に注目します。
ストップ高だから良い銘柄とは限らない
先述のとおり、ストップ高は制限いっぱいまで買われている株です。そのため、今現在、実際に買われている株というわけです。
しかし、ストップ高だからと言って、全てのストップ高になっている銘柄が今後も上がり続ける優良銘柄なわけではありません。
なぜなら、ストップ高になった銘柄には、それが一過性のもので、その日のちょっとした材料で買いが集まっただけの銘柄なことがあるからです。ほとんどの銘柄がそれに当たると言っても良いでしょう。
例えば、2018年8月30日に、一時ストップ高になった銘柄で、次のようなものがありました。
人気作家の村上春樹氏が、新文学賞を受賞する可能性があり、もし受賞すると、最新作の『騎士団長殺し』など村上氏の本の販売が増える期待から、本屋さんの『文教堂の株』が買われたということです。
これは、数年に一度よくある話題です。(笑)
この日は『文教堂HD(9978)』に買いが集まりました。しかし、この材料では文教堂の業績に与えるほどのインパクトはありません。しかも、村上氏はまだ新文学賞を受賞したわけでもないのです。
仮に賞を受賞したとして、村上氏の本が過去作も含めて200万冊売れたとしましょう。1冊の値段を1,500円として計算すると、本の売上は次のようになります。
計算式 200万(冊)×1,500円=30億円
本の売上は、30億円と推察できます。
そこで、文教堂HD(9978)のここ数年の売上推移をみると、平均300憶円の売上ということがわかります。
文教堂HDの売上300億円に対して、本の売上が30億円では、文教堂の売上の10%程度になります。売上で10%程ということは、純利益への影響はさらに少ないでしょう。
しかも、村上氏の本が200万冊全て文教堂で買われた場合です。(笑)
このように考えると、この話題でストップ高になったとしても、今後も株価が上がるとは考えられません。
つまり、株価が長期的に上がるようなことはなく、一過性のものである可能性が高いわけです。
実際に『文教堂HD(9978)』の株価は以下のようになりました。
このようなこともあり、『ストップ高』になったから良い銘柄とは限らないわけです。
ストップ高の銘柄を1つ1つ調べる
先述のとおり、『ストップ高』の銘柄が全て今後も上がるわけではありません。そこで『ストップ高』の銘柄を1つ1つ調べて、今後も期待できる銘柄であるのか、分析をします。
やはり、株が長期的に上がるためには、業績が良く、売上の進捗もよく、割安であることが重要になります。
つまり、業績や、売上の進捗、来期の業績予想、割安度を調べることにより、ストップ高まで買われた銘柄の中から、まだまだ割安で今後も買われる可能性の高い銘柄を探していきます。
このように、ストップ高になった銘柄を1つ1つ調べて探し出した銘柄は、今まで割安だった株が、動き出した可能性が高い銘柄であるというわけです。
ストップ高銘柄を調べる4つのポイント
先述のとおり、ストップ高銘柄を調べて行くわけですが、調べるときの項目は、次の4つになります。
業績の推移
業績予想
会社のホームページ(月々の進捗、目標、その他について)
こちらの4つを説明していきます。
割安度
ストップ高になった銘柄のPERを調べて、株価が割安かを調べます。先述のとおり、割安な株であれば、本来の価値と同等の株価になる可能性が高いことから、ストップ高になってもまだまだ上がる可能性があるわけです。
PERは、企業の業績面から見て株が割安かがわかる指標です。このPERが15(倍)程ならば、通常の値と言えます。そして、この値が10倍以下であれば割安といえます。クリック証券では個別銘柄のページの下の図のところに表示されます。
このPERの値が正しいかどうかもチェックする必要があります。PERは会社の発行している株の数によって変わってきます。そのため、最新の発行済み株式の枚数で計算されているかをチェックする必要があります。
なぜなら、株式分割や新たな株の発行などで、株の発行枚数が変わっている可能性があるからです。
そこで、会社の最新の『発行済み株式数』と、会社の『当期純利益』を使いPERを計算します。
PERは次の計算で求めることができます。
計算式 PER=株価÷(当期純利益÷発行済み株式数)
このように計算して、PERが10倍以下であれば割安と考えてよいでしょう。
業績の推移
PERを調べて割安だと判明したら、次はここ数年の業績の推移を調べます。
なぜなら、割安な株の中には業績が悪いからこそ、割安な株が多く含まれているからです。そこで、しっかりと業績の推移を調べて、業績が良いことを確認します。
業績の推移は、『会社四季報』で調べることができます。証券会社に無料で掲載されている『四季報』や『会社四季報』の本を見ると良いでしょう。
『マネックス証券』の『銘柄スカウター』は、過去10年間の業績推移が無料で見られるため、私は『マネックス証券』の『銘柄スカウター』を使っています。
ここでは、クリック証券のページで説明します。『四季報』は以下のように表示されます。
このように、『四季報』の、『売上高』や『営業利益』『経常利益』『当期利益』の推移をみて、右肩上がりで増えていれば良いでしょう。
業績予想
業績推移を調べたら、次は来期の業績予想を調べます。来期の業績は増益率が大きければ大きいほど良いですが、概ね10%以上の増益率になっていると安心です。
こちらも、会社四季報で『売上』『営業利益』『経常利益』『当期利益』を調べます。
会社のホームページを見る
会社のホームページでは、主に次のことを調べます。
『最新の売上推移』『進捗情報』『企業の目標』
会社四季報で、ここ数年の業績の推移や、来期の業績予想を確認したら、次に最新の業績の推移をチェックします。最新の業績の推移は自社のホームページで確認できることがあります。
例えば、飲食店や小売店などは、毎月の売り上げなどの進捗を公開していることが多々あります。そこで、会社のホームページを確認して、売上の進捗情報をチェックします。
さらに、その企業の目標なども、確認出来たらしたいです。『決算資料』などを読むと、目標が掲げられていることがあります。
例えば、飲食店であれば、1,000店舗目標とか、小売店であれば、売上1,000憶円目標など、目標があると現在の数値と比べることで、今後の予測をたてられます。
以上のように、業績や会社のホームページから得られる情報を吟味して、割安な株が今後も利益が増える期待が持てる株であるのかを確認するわけです。
さて、ここまでで、ストップ高になった銘柄を調べて、割安な株であること、ここ数年の業績が右肩上がりであること、今、現在の業績も確実に成長していることが確認出来ました。
そのため、先述のように動き出した株は、割安な株が動き出した可能性が高いわけです。
このような株は買い安心感があります。
以上のように、株の値動きから、割安で将来期待できる株を見つけることになります。
実録、ストップ高から最大10倍以上になった銘柄を見つけた方法
さて、ここからは、実際に、2017年1月13日に株の値上がり率ランキング上位に入っていて、ストップ高になっていた「アイケイ(2722)」株を見つけて、どのように分析していったのかを解説していきます。
『実録、割安株が2ヶ月で2倍になった「アイケイ」株を見つけて分析した方法』の流れは以下のとおりになります。
↓ ↓
2.PERを見て、実際に計算もしてみて割安な株価調べる
↓ ↓
3.会社四季報を見て業績の推移を調べる
↓ ↓
4.会社のホームページを調べる
まずは、株の上昇率ランキングをチェックしていきます。
株の値上がり率ランキングをみてストップ高になっているか調べる
2017年1月13日に、クリック証券の株の値上がり率ランキングをチェックしていました。そこで、『ストップ高』になっている株に「アイケイ(2722)」株がありました。
↓ ↓ クリック証券の株の『値上がり率ランキング』
※注意 1月13日の画像ではありません。
このランキング上位1位から、順番に見ていくとストップ高になっている銘柄に『アイケイ(2722)』株がありました。
ストップ高になっている銘柄だけ、個別に分析していきます。
PERを見て、実際に計算もしてみて割安な株か調べる
次にPERをみて割安かを調べます。『アイケイ』の『予想PER』をみると7.7倍でした。
「こんなに割安な株なんだ?」と思ったため、この欄のPERが合っているのか、アイケイの『発行済み株式数』と『当期純利益』とストップ高になった『株価』を用いて計算して見たところ、数値は合っていました。
これは割安だと思ったため、次に業績を調べました。
会社四季報を見て業績の推移を調べる
割安なことが確認できたため、次に『会社四季報』をみて、業績の推移を確認しました。
売上は右肩上がりになっていて、純利益は前期に赤字でマイナスになっていたものがプラスに転じたところでした。
これは、赤字が続いて、株が売られていたために割安だったのだろうと考えました。
そこで、来期の業績予想を見てみると、売上も増益で、当期純利益も、上がりそうな見込みでした。良い業績だと思い、会社のホームページも調べてみようと思いました。
会社のホームページを調べる
次に会社のホームページを調べました。このときは、会社のホームページや決算資料をよく調べました。
そこには、売上の進捗状況が載っていたため確認をしました。前年と比べた月々の進捗率は、10%以上は上がっていて良い業績でした。
来期の売上の進捗を確認できたところで、さらに、ホームぺージをみて細かく状況を確認していきました。決算資料をみると『ダイレクト通販』と『海外への販売』がまだわずかですが、増えている様子だったのです。
『ダイレクト通販』が増えるのであれば、利益率が高まるはずです。なぜなら、このアイケイは生協で販売が主体なのですが、生協経由の販売では、生協に手数料を支払うはずです。しかしダイレクトの通販であれば、そのような販売をするための手数料はかかりません。そのため、今後ダイレクト通販が伸びるのであれば、利益率が高まる可能性が高くなるだろというわけです。
しかも、『ダイレクト通販』は、まだ売上全体の6%程のため、今後も成長の余地があると見ました。
このように、割安な株が新たな分野で成長が確認されたことにより、この株は今後も上がる可能性が高いと考えました。
株価は2カ月で2倍なり、その後1年たたないうちに10倍になる
『アイケイ(2722)』株は、このストップ高になった時の株価は1,332円でした。
それが、3月16日には高値2,700円を付けて、2ヵ月で株価2倍になりました。
その後、株価2分割を経て、2017年11月30日には、株価6,880円×2(分割)=13,760円になり、1年ほどで株価は10倍になったわけです。
ここまで、すんなりと株価が10倍になるケースは滅多にありません。株価がストップ高になった銘柄は実際に値が動いている銘柄なので、株価が動き出した時を捉えるのは、効率的で良いのかもしれません。
見出し3、まとめ
このページでは、『株の値動きから銘柄を見つける』実践方法をお伝えしました。
ポイントは次の3つになります。
2.『割安株』であること。
3.今後も成長する可能性が高いこと。
まずは、株の値上がり率ランキングをチェックして、『ストップ高』になった銘柄を1つ1つ見ていきましょう。
次に、ストップ高になった銘柄から割安な株を見つけましょう。
割安なことが確認出来たら、ホームページや決算資料を調べて、今後も成長する可能性があるのかに注目してください。
以上、上記3点について確認出来たら、その株は割安で儲かる可能性の高い株が、すでに動き出している可能性が高いことになります。実際に株を買っていきましょう。
銘柄の分析の仕方は、下記のページでお伝えしている分析方法と同じです。
こちらも併せてご覧ください。