株式投資初心者の方で、実際に株を買いたいと思った人は「どうやって株を買ったら良いのだろうか?」と、考えるはずです。株は証券会社を通して株式市場で買うことになります。そのため、株を買うには証券会社に口座を開設しなければなりません。
そして、証券会社は数多くあります。そこで、これから口座を開設しようと考えている株式投資初心者の方は、どこの証券会社の口座を開設すれば良いのか迷うこともあるでしょう。
nこのページでは、証券会社の特徴やオススメのネット証券をお伝えします。あなたの投資スタイルに合う、証券会社をみつけて口座を開設してください。
証券会社には特徴に違いがある
冒頭で述べたとおり、証券会社は数多くあります。証券会社の口座を開くには、その多くの証券会社の中から選ぶことになります。まずは、証券会社を選ぶ基準を知るために証券会社にはどのような特徴の違いがあるのかをお伝えしていきます。
証券会社を選ぶための特徴の違いは主に4つの種類に分けられます。それは以下のとおりです。
2.ツールの性能や使いやすさ
3.投資のための情報量
4.取り扱い商品の種類の違い
それぞれ、詳しく解説していきます。
取引手数料の違い
株の売買をするときに、証券会社には手数料を支払います。手数料は証券会社により異なります。そのため、手数料の安い証券会社を選ぶことにより、取引にかかるコストを抑えられるわけです。
例えば、2つのAとBの証券会社で同じ株を同じ枚数だけ買うとします。4500円の株を100株買うとしましょう。その場合、株を買うために支払う金額は45万円になります。
その45万円にかかる取引手数料は、約定金額(実際に株の売買にかかった金額)50万円までの手数料になります。そして、約定金額50万円までの手数料はA証券は180円でB証券は450円支払います。
つまり、同じ45万円分の株を買うのに、手数料180円支払う証券会社と450円支払う証券会社があるのです。
この場合は、2つの証券会社を比べると手数料が270円違います。そのため、もし先ほどと同じ約定金額の株の売買を10回するとします。その場合、手数料の高い証券会社の方が余分に2,700円のコストがかかることになります。
株の売買を繰り返せば繰り返すほど、手数料はかかります。そのため、手数料は安い証券会社を選ぶ方がその分コストがかからないことになるのです。そして、削減できたコストは利益になります。そのため、株の取引手数料を安く抑えることを意識することは重要なのです。
定額手数料制の証券会社
その他の手数料体系として、定額手数料制の証券会社があります。定額手数料とは、一定の期間内(1ヶ月など)に定額(例えば1万円)を支払うことにより、それ以外の手数料はかからずに株の売買が出来る手数料体系です。
定額手数料制の証券会社を選ぶ方が手数料を抑えられる場合は、その方が良い選択になります。
例えば、わたしが本格的に株の売買をしていたころは短期売買を繰り返していました。そのため、年間の株の売買回数は200回を超えたのです。当時の手数料は900円に消費税5%で945円でした。
このことから、年間に株の売買のために支払った手数料を単純に計算します。すると「200回×945円=189,000円」で、189,000円かかることになります。
しかし、当時は「コスモ証券(現在は岩井コスモ証券)」に3ヶ月ごとの定額手数料制の手数料体系がありました。
値段は19,800円に消費税5%の20,790円でした。それを、3ヶ月に1度支払えば3ヶ月間はいくら株を売買しても、それ以上の手数料はかからなかったのです。そのため、年間では「20,790×4回=83,160円」で83,160円ですみました。
もし、定額手数料でなかったとしたら、年に189,000円以上は支払うはずだった手数料です。それが年間83,160円の手数料で抑えられたのです。このように、年に10万円以上お得になるケースもあります。
1日合計10万円までの売買は手数料無料
1日合計で、10万円までの株の売買は手数料無料の証券会社があります。それは松井証券です。
例えば、90円の株を1000株買うときの金額は90000円です。このように売買の金額が10万円以下の場合は手数料が無料なのです。
しかも、1日合計であることからまず200円の株を100株買って20000円。その後に60円の株を1000株買って60000円。このように2つの株を買っても合計金額は80000円です。この場合も手数料は無料になります。
株の売買代金が10万円以下になる銘柄は上場企業全体の約30%ほどあります。10万円以下の株の売買を繰り返す方は松井証券がオススメです。
ここまでで述べたように、証券会社により株の売買にかかる手数料は異なります。株の売買回数が増えると手数料も増えます。株の売買回数は投資スタイルにより多かったり少なかったりします。
そのため、あなたの投資スタイルに合わせて手数料が安く済む証券会社を選ぶことは重要なわけです。
小さい手数料も、積みかさなることで、大きなコストになります。コストをおさえる意識をしっかりと持ち、あなたの投資スタイルに合った証券会社を選んでください。
ツールの性能や使いやすさ
証券会社は、株の売買に役に立つさまざまなツールを提供しています。ツールの種類、性能や使いやすさは各証券会社で異なります。そのため、自分に合う投資ツールを提供している証券会社を選ぶことにより株式投資に役立つツールを使うことが出来るわけです。
株式投資のツールには、株の値動きを過去から現在までを分析するための株式チャート、企業のファンダメンタルズ(業績や財務状況)を分析するツール、ポートフォリオを管理するツールなどさまざまです。
例えば、わたしが使っている『クリック証券』には財務分析ツールがあります。これにより、企業の「株価分析」「経営分析」「財務諸表」などが分かりやすいグラフで一目瞭然に表示されます。以下の画像が分析画面です。
このように自分が気になった銘柄(株式市場で売買できる会社の名前)の現在の株価と理論株価を比べています。そして、割安か割高なのかが一目でわかるようになっているのです。このような株価分析は、長期投資に役立ちます。
私の場合は、長期投資のために個別銘柄を分析するときには、会社四季報や決算報告書を読みます。それにより、企業の業績や株価などの詳細を分析出来るからです。
会社四季報は東洋経済社が発行している本です。その本には全ての上場企業の業績の推移や財務状況などの情報が本いっぱいにぎっしりとつまっています。そのため、気になる銘柄を個別に調べるのに便利です。
そして、クリック証券の財務分析ツールは「とりあえずこの銘柄はどうだろう?」と思った銘柄をパッと一目みて分析したいときに使います。
パッと一目みて、「投資対象になる銘柄かもしれない」と思ったところで、会社四季報や決算報告書などをみて、さらに細かい分析をしていくわけです。
他にも銘柄を探すときは、銘柄スクリーニングツール(銘柄を選別するツール)を使うと便利です。
例えば、「今後の業績が良く、株価が割安な銘柄を見つけたい」と思ったとします。その時に銘柄スクリーニングツールを使うことで、約3500社ある銘柄の中から、目当ての銘柄を抽出するわけです。
しかし、各証券会社が提供しているスクリーニングツールの中には、自分がスクリーニングしたい項目がないスクリーニングツールもあります。
例えば、スクリーニングの項目に株の値動きに関する項目はたくさんあるけれど、会社の業績に関する項目がないなどです。また、その逆の場合もあります。
これは、証券会社により短期売買のためのスクリーニングツールなのか、長期投資のためのスクリーニングツールなのかということが垣間見れます。
私は、マネックス証券のスクリーニングツールには、自分がスクリーニングしたい項目がそろっていることから、マネックス証券のスクリーニングツールを使います。
以下の画像がマネックス証券のスクリーニングツールです。マネックス証券にログインして、投資情報→スクリーニングで、スクリーニングする画面にいけます。
このように、たとえば、会社の売り上げが前期比で10%以上成長していること。
割安の指標であるPER(会社の利益と株価の関係から割安かを判定する指標)とPBR(会社の資産と株価の関係から割安かを判定する指標)。
そして、会社がまずつぶれることはないことを表す自己資本比率50%以上であること。
以上のように、自分が選別したい項目を使い銘柄をスクリーニングすることが出来ます。
結果は、844銘柄〜3銘柄までにしぼることが出来ました。ここで選別した銘柄を元に、それぞれの銘柄をさらに分析していきます。このように分析する銘柄をしぼりこむのに便利なツールが銘柄スクリーニングツールです。
ツールは使いづらかったり、自分に合わなかったりすると、結局使わなくなってしまいます。せっかく、便利なツールが合っても使わなくては意味がありません。そこで、自分の投資スタイルに合い、使いやすいツールを提供している証券会社を選ぶことが重要なわけです。
投資のための情報量やサポート体制
証券会社には独自の投資のための情報を配信していたり、全国に店舗を構えていたりするところがあります。その全国の店舗や電話対応で、個別にコンサルティングをするのです。総合証券と呼ばれる証券会社がそれで、野村証券や大和証券などになります。
例えば、独自の情報配信は野村證券では野村週報というアナリストによる経済展望の話や銘柄の研究などを週刊で配信しています。
また大和証券では、ダイワ投資情報Weeklyを週刊で配信しています。野村證券とは内容は異なりますが、こちらも経済の動向や銘柄の業績動向など、個別銘柄の研究をしています。
個別のサポートやコンサルティングでは、投資仲間に聞いた話によると、担当者と仲良くなり有利な投資内容であるIPO(新規公開株)などの商品をまわしてもらえることもあったようです。
このように全国に店舗を構えていて、情報配信も定期的にしている総合証券は手数料が高いです。全国に店舗を構えたり投資のアナリスト(分析をする人)を雇ったりするのにコストがかかるためです。
例えば、野村證券の場合はインターネットを使って自分で株の売買をする場合の手数料は約定金額30万円まで324円です。手数料の安いネット証券では200円前後の手数料です。つまり50〜60%以上も割高な手数料になります。
これは、インターネットを使って自分で株の売買をする場合です。個別の店舗で相談にのってもらいながらの株の売買では、手数料は数千円かかります。
具体的には、約定金額20万円以上50万円以下の場合、野村證券では手数料は利率1.404になっています。そのため、50万円の株を買う場合「50万円×0.01404=7020円」で、7020円になります。ちなみに、大和証券では6210円です。
このように手数料が高いことから、情報収集は自分でして売買する銘柄は自分で決める方には不要の証券会社と言えます。
例えばわたしは、老舗の総合証券会社の中では野村證券の口座を持っています。先述のとおり、野村證券ではアナリストによる解説や、銘柄研究などをしています。
このようなアナリストの情報を読んだところで、株の売買で利益を出せるようになるわけではありません。投資の情報はネットで探すこともできます。銘柄は先述のように自分で見つけて自分で分析しています。
そのため、わざわざ選ぶ必要のない証券会社とも言えます。
投資資金がたくさんあり、情報をたくさん知りたい方で、個別に相談にのってもらいながら株の売買をしたい方はこのような証券会社を選ぶのも良いでしょう。
取り扱い商品の種類の違い
証券会社により、取り扱いしている商品に違いがあります。海外証券の取り扱い、債権の取り扱い、為替の取り扱い、IPO(新規公開株)、ミニ株、投資信託の取り扱いなど証券会社によりさまざまな商品があります。
例えば、海外証券を扱っている証券会社なら、アメリカの株が買えたり中国の株が買えたりします。その他、ミニ株は株を10分の1の価格で買える仕組みになってます。そのため、資金の少ない人でも、値嵩株(最小単位で買う場合でも100万円以上するような高い株)が買えます。
取り扱い商品については、とりあえず日本の株を買いたいのであれば、どこの証券会社でも日本の株は買えます。そのため、株式投資の初心者のうちはあまり気にする必要はないと言えます。
資産が増えてきて、海外にも分散投資したいとなったときに海外証券を取り扱っている証券会社の口座を開設したり、債権を扱っている証券会社で債権投資をしたりするのも良いでしょう。
ただし、ミニ株は先述のとおり10分の1の価格で株を買うことができます。そのため、ますは少ない資金で株式投資を試してみたいと考える人はミニ株から始めてみるのも良いでしょう。その場合は、ミニ株を扱っている証券会社を選ぶようにしましょう。
ここまでのことを踏まえて、投資スタイル別の証券会社の選び方をお伝えします。
株の短期売買を繰り返したい方の証券会社の選び方
株の短期売買を繰り返すのであれば、手数料は安い証券会社に限ります。なぜなら、先述のとおり株の売買を繰り返すほど手数料がかかるため、コストがバカにならないからです。
さらに、基本的に株の取引手数料は株の約定金額に比例して高くなります。例えば、約定金額50万円までは手数料500円で、100万円までは1000円という具合です。
具体的に申しますと、上記のように約定金額50万円までの手数料が500で、約定金額100万円までが1000円だとします。
その場合、400円の株を1000株買うと「400円×1000株=40万円」で、約定金額40万円です。約定金額が50万円以下であることから、手数料は500円になります。
一方、8,000円の株を100株買うと「8,000円×100株=80万円」で、約定金額80万円です。約定金額は100万円以下であることから、手数料は1,000円になります。図で表すと以下のとおりです。
このように、約定金額が大きければ大きいほど、取引手数料は高くなります。そのため、資金量が50万円で50万円以下の株を売買するよりも、資金量が100万円で100万円に近い金額の株の売買をする方が、手数料は増えるわけです。
ここまで述べてきたように、株の取引の回数が多くなったり株の約定金額が大きくなったりすると手数料が多くかかります。そのため、手数料の安い証券会社を選ぶことにより、取引のコストを抑えることが出来ます。
したがって、株の短期売買を繰り返す方は手数料が安い証券会社を選ぶことが重要と言えます。
また、資金量がたくさんあり短期売買を相当繰り返すのであれば、定額手数料制の証券会社がオススメです。
具体的には岩井コスモ証券は、月の株の売買回数50回まで定額手数料10,800円で、月の株の売買回数100回まで定額手数料20,800円などの定額手数料制に近いなっています。
株の売買を実際にやってみて、月に50回未満の取引回数なのに手数料が10,800円を超える場合があるでしょう。その場合は岩井コスモ証券に乗り換えると良いでしょう。
長期保有に適した証券会社は
株の長期保有をしたい場合は、銘柄のファンダメンタルズ分析や、スクリーニング機能が使いやすい証券会社が良いでしょう。
長期投資をするのであれば、取引回数が少なくなります。そのため、少しくらい手数料が割高でもそれほどコストがかかりません。このことから、手数料を気にするよりも企業のファンダメンタルズを分析するツールやスクリーニングツールが使いやすい方がいいわけです。
例えば、わたしはメインではクリック証券を使っています。手数料は業界最低水準で株の売買をするためのツールも使いやすいからです。
しかし、銘柄のスクリーニングツールは使いにくいこともあり使っておりません。銘柄のスクリーニングツールはマネックス証券のツールを使っています。
マネックス証券の手数料はクリック証券よりは割高ですが、長期保有の株式投資をするのであれば、売買回数が多いわけではありません。そのため、手数料がかさむことにはなりません。ですから、株の長期保有にはツール重視で証券会社を選びます。
また他にも、長期保有が目的であれば、NISAの口座では売買手数料が無料になる証券会社は多いです。
NISAの口座は、株の長期保有に向いている口座で、さらに株式の売買で利益を出した時にかかる税金が免除される口座になります。そのため、NISAの口座の売買手数料が無料であれば、税金もかからない、手数料もかからないことから、余計な料金はいっさいかかりません。
コストを考えるとこれ以上のコスト削減はありません。ですから、長期投資のスタイルで株式投資を始めたい方は、NISAの口座で株の売買をすると良いでしょう。
NISA口座での株の取引手数料が完全無料の証券口座の中でオススメなものを下記で紹介しています。参考にしてみてください。
まとめ
とりあえず、日本の株で株式投資を始めたいと思っている方は、日本の証券会社であればどこでも日本の株は買えます。そのため、取り扱い商品の違いは気にすることはありません。
そして、株の短期売買をやりたい方は取引手数料がバカになりません。そのため、しっかりとコスト意識を持って手数料の安い証券会社を選ぶと良いでしょう。
また、投資に役立つツールも選びも重要です。長期保有をしたいなら投資ツール重視で手数料は少しくらい割高でもいいでしょう。
個人的なオススメは、短期売買中心の場合は、『クリック証券』や『岩井コスモ証券』です。
長期保有をするなら、『マネックス証券』とやはり財務分析ツールが便利なクリック証券でしょう。
あなたの投資スタイルにあった証券会社を見つけて、口座を開設して下さい。