株式投資をするためには、株価の動きを表す「株価チャート」の見方を覚えることは必須です。初めのうちは株価チャートを見ても、何がなんだかよくわからないと思います。
しかし、株価チャートを見れば見るほど、株価チャートを構成している「ロウソク足」の動きを考えれば考えるほど、株価の動きがわかるようになってきます。
株価の動きがわかるようになると、株の売買で利益を上げる確率が高くなります。そうなると、実際に株を売買することが楽しくなってきます。また、株価チャートは奥が深く、覚えることはたくさんあります。
このページでは、株価チャートの説明とチャートを構成しているローソク足の解説をします。株価チャートの見方を覚えて、株の売買を楽しみながら利益を上げられるようになりましょう。
株価チャートで株価の位置と進む方向を確認する
株価チャートにはさまざまな形があります。「バーチャート」「ラインチャート」「ローソク足チャート」などと呼ばれるもので、他にもたくさんあります。ここでは、もっともよく使われるローソク足チャートについて、説明します。
ローソク足チャートは、元々日本人が開発して使っていたところ、便利だということで世界中に広まりました。他の国では、バーチャートを使っている人も数多くいます。
しかし日本では、ローソク足チャートが一般的で誰もが見ているのです。ですから、株価チャートはローソク足チャートだけを覚えれば問題ないといえます。
さて、株価チャートは株価のこれまでの推移を、パッと一目で確認できるものです。世界中の人が株価チャートを見て、株を売買する判断に利用しています。そのため、世界中の人が株価チャートを見て行動することから、株価に影響を及ぼします。
例えば、次のような株価の動きを想像してみてください。
会社Aの株価が1ヶ月前に高値(一番高い値段)250円をつけたあと、失速していきました。その後、会社Aの株価は安値(一番安い値段)200円をつけました。
そして、1週間前に会社Aの株価はまた250円の高値をつけました。今度こそ、250円を超えると思いましたが、超えずに失速していきました。
その後、株価は230円まで下げてから、本日またもや250円の高値をつけました。3度目の正直で、株価は250円を超えていきました。
以上、ここ1ヶ月の株価の推移の例えでした。株価の推移を想像していただけたでしょうか。この一連の流れを、一目で確認できるのが株価チャートです。
そして、誰もが株価チャートを見て、「会社Aの株はいつ250円を超えるのか?」と、虎視眈々と狙っているのです。
3度目の正直で、250円を超えた会社Aの株価は、そこから勢いをつけて、ぐ〜んと上がっていきました。そして、簡単に300円の値をつけたのです。今まで超えられなかった、250円の壁を突破したことから、買いが殺到したというわけです。
このような、株価の動きを株価チャートの例で表すと、下の図のようになります。黒い線が株価の推移を表しており、これをチャートと呼びます。
このような、株価チャートを多くの人が見て、売買のタイミングはいつになるのだろうかと狙っているのです。
株価チャートを見ないで株の売買をするというのは、海図を持たないで海へ航海に出るのと同じです。船が今どこにいて、どこに向かっているのかがわからなければ、船は進みようがありません。
株価も、今どこの位置にあってどちらの方向に向かっているのか、株価チャートという海図で確認をした方が、安全な航海(株の売買)ができるというわけです。
株価チャートで判る大事な3つの情報
ネット証券でどの株を買おうかと、銘柄(株式市場で売買されている会社の名前)を探していると、下の図のようなチャートを見かけたことがあると思います。これがロウソク足の株価チャートです。
株価チャートの中身を見ますと、ひとつひとつの形が、ローソクのような形をしています。このことから、ローソク足と呼ばれています。ローソク足は株価の推移を表しており、それが、過去から現在まで連続でならんでいます。
つまり株価チャートとは、過去から現在までの株の値動きを表したものです。そして、株価チャートを見ることで主に次の3つのことがわかります。
・今の株価の位置
・株価のトレンド(株価がどの方向へ向かっているのか)
・株を売買するタイミング
これらのことがわかります。それぞれ詳しく見ていきましょう。
今の株価の位置
株価チャートの左側が過去になり、一番右が今の株価を表しています。過去から、現在までの株価の推移を見ることで、今の株価は高めの位置なのか、低めの位置なのかがわかります。
例えば、下の図の左側は過去の株価となり、20,000円近辺が高値となっています。さらに、真ん中付近では15,000円ほどの安値を2回つけています。
そして、今の株価は17,800円ほどですから、今の株価は今までの値動きの中で、半分より少し上の位置だということが一目でわかります。
株価のトレンド
株価のトレンドとは、株価が向かっている方向のことです。
トレンドは3種類あり「上昇トレンド」「下降トレンド」「横ばいトレンド」となります。
株価が、少し前の高値を上にぬけて、上値が切り上がりながら株価が上がっている状態が、上昇トレンドです。
株価が、少し前の安値を下にぬけて、下値が切り下がりながら株価が下がっている状態が、下降トレンドとなります。
上昇トレンドと下降トレンドを、図で表すと下の図のとおりです。
株価が前回の高値より上にいかないで、前回の安値より下にいかないで、横ばいに推移している状態が、横ばいトレンドです。図で表すと下の図のとおりです。
株価のトレンドを、実際の株価チャートで示すと、下の図のとおりとなります。
株価のトレンドを把握することにより、今は買いの時なのか、売りの時なのか、待つべき時なのかを判断することができます。
株を売買するタイミング
株価チャートを見て、株の売買のタイミングをはかります。先述した、会社Aの株価の高値250円を超えるときの例がありました。そのように、タイミングを見計らって株を買うのは、よくあるひとつのパターンです。
他の例をあげると、「三角保ち合い」という形のものがあります。下の図のように、下値が切り上がり、上値が切り下がる形で、三角形を形成している場合があります。この三角形を上に抜けてきたときが、買いのタイミングというわけです。
株価チャートを見ることで、次の3つのポイントを確認できます。今の株価が過去の株価と比較して高いのか安いのかを確認すること。株価がどの方向に向かっているのかを確認すること。株価を売買するタイミングを見つけることです。
これらのポイントを株価チャートを見て瞬時に確認できるようになりましょう。
ローソク足の基本を覚える
ここまで、株価チャートの基本的な部分を説明しました。ここからは、ローソク足の基本的な部分を説明します。
ローソク足ひとつから、次の4つの値がわかります。
始値 始まりの株価
高値 一番高い値がついたときの株価
安値 一番安い値がついたときの株価
終値 終わりの株価
例えば、1つのローソク足が1日の株価の推移を表す「日足」だとします。株式市場の1日のはじまりは9:00からで、1日の終わりは15:00です。
このことから、日足の始値は9:00についた株価になります。そして、日足の終値は15:00についた株価です。9:00〜15:00の間で、一番高い株価が高値になり、一番安い株価が安値になるわけです。
そして、始値より終値の方が高ければ「陽線」といい、始値より終値が低ければ「陰線」といいます。
図で表すと下の図のとおりです。
さらに、株価の推移を表すと下の図のようになります。
上の図を説明します。
株価が240円から始まったので、始値は240円です。その後、234円の安値をつけています。そして、株価は上がり続けて256円の高値をつけました。最後は下がって、250円で終わったことから、終値は250円というわけです。
始値が240円で終値が250円となり、始値より終値の方が高いことから、このローソク足は陽線となります。
先ほど、日足として例をあげました。ローソク足の種類はたくさんの時間軸があります。1分足、5分足、1時間足、日足、週足、月足、などです。
もし、ローソク足が10:00スタートの5分足だとしますと、始値は10:00につけた株価で、終値は10:05につけた株価となるわけです。
このような、ローソク足の基本をしっかりと覚えないと、株価チャートを読めるようにはなりません。しっかりと、ローソク足の基本を覚えるようにしてください。
ローソク足を見るたびに株価の動きを考える
ローソク足が2つ3つ、それ以上と並ぶとさまざまな形になります。その形により、今の株価がどのような状態なのかがわかります。買いが優勢なのか、売りが強いのか、それとも買いか売りかはっきりしない状態なのかという具合です。
例えば、以下のようなローソク足の並びがあるとします。日足のローソク足です。
4日間、陽線で株価が上がってきて順調でした。ところが5日目で、4日間の上昇を全て打ち消す陰線となりました。このようなローソク足の並びを見て「これは、相当売りの圧力が強いな」と、考えられるわけです。
ローソク足の並び方、動き方を常に考えていると見えてくるものがあります。しかし、常に株価の動きがわかるようになるというわけではありません。株価の動きがわかる時があるという程度です。そのときは株の売買のチャンスというわけです。
ここは経験がものを言います。株価チャートを見てローソク足の並びをチェックして、常に株価の動き方を考えるようにしてください。
まずは日経平均のチャートを見る
株式投資初心者の方は、常に株価チャートを読む練習をしてください。そこで、どの株価チャートを見れば良いのかと言いますと、まず絶対にみるべき株価チャートは、日経平均(日経225)の株価チャートです。
これは、株式市場の種類の1つである東証1部の銘柄の中から、225銘柄を抽出して株価の平均の値を出した指数(作成された統計値)です。日経平均は世界中で株取引を行っている人たちが、必ず確認する指数です。
さらに、日本の株は少なからず日経平均の影響を受けます。このことから、どの個別株の売買をするにしても、日経平均の株価チャートだけは必ず確認するようにしてください。
例えば、日経平均は225銘柄しかないのに、日経平均が暴落する時は、他の銘柄のほとんどが暴落することがよくあるわけです。また、225銘柄以外の個別の株には何も問題はなくても、日経平均の影響を受けて、株価が下がっていく可能性もあるのです。
日本株を売買するなら、日経平均の株価チャートは必ず確認することが大事です。したがって、株価チャートを読む練習をするなら、日経平均のチャートが好ましいといえます。
まとめ
株価チャートの基本的な見方、ローソク足の読み方について解説しました。
株価チャートを読めるようになることで、株価の動きがわかるようになります。そうなると、株の売買で利益をあげる確率が高くなります。株価チャートの読み方をマスターすることが重要だと、ご理解いただけたでしょう。
是非、毎日少しずつでも株価チャートを見て、ローソク足の並びの意味などを考えてみてください。毎日見るのなら、日経平均の株価チャートが良いでしょう!